経営相談Q&A
「法人成りしたら、個人で契約しているものはどうする?」テナント・リース・備品の引継ぎ
個人事業から法人化するとき、会社を作る手続きだけに目が行きがちですが、意外と忘れやすいのが今まで個人名義で使っていた契約や資産をどうするかという問題です。
今回は、法人化を予定している社長との面談から、法人成りするときに確認しておきたい契約や資産についてお話しします。
社長
法人化するにあたって、今まで個人で契約していたものをどうするのかが気になっています。
例えば、今借りている物件も個人名義なんですが、法人にすると何か手続きが必要ですよね?
税理士
はい、まずは今契約しているものを一度洗い出して、法人名義に変更する必要があるものは、契約先ごとに確認していくのがいいと思います。
物件についても、名義変更で済むのか、新しく契約し直す必要があるのかは貸主や管理会社に確認しておきたいですね。
社長
契約し直すとなると、また費用がかかる可能性もありますか?
税理士
その可能性もあります。ですので、法人設立の直前になって慌てるより、早めに取引先や管理会社へ「法人化する予定ですが、契約はどうなりますか?」と確認しておくと安心です。
名義変更だけなのか、再契約になるのか、費用が発生するのかを事前に確認しておきたいですね。
社長
リースしているものもあるんですが、それも法人に引き継ぐんですか?
税理士
事業で引き続き使うのであれば、法人名義への変更ができるかをリース会社に確認することになります。
リースについては、資産そのものを自分が持っている場合とは少し違うので、まずは契約名義の変更について確認すればいいと思います。
社長
自分で買ったパソコンとか備品はどうなりますか?
税理士
そこは、個人事業の確定申告書に載っている固定資産を確認した方がいいですね。
例えば高額なパソコンなど、まだ減価償却の途中になっているものを法人でも引き続き使うのであれば、個人から法人へどう引き継ぐかを検討する必要があります。
社長
じゃあ、法人化するときに一度、今持っているものを全部確認した方がよさそうですね。
税理士
はい、過去の確定申告書も参考にしながら、一覧にすると分かりやすいです。
例えば、賃貸物件・リース・各種サービスの契約と、パソコンや設備などの固定資産など。
あとは、融資を受けている場合は、事前に金融機関へ確認しておくべきですね。
社長
法人を作った日から、全部すぐ法人に切り替えておかないとダメですか?
税理士
そこは一律に考えず、ひとつずつ個別に対応していけば基本的には大丈夫ですが、後回しにせず、事前の確認だけでも早めにされておくことをおすすめします。
法人化は「会社を作って終わり」ではない
個人事業から法人へ移るときは、会社設立の手続きだけでなく、これまで個人名義で動いていた事業を法人へ移していく必要があります。
法人化が決まったら、例えば次のようなものを一度確認してみましょう。
- 店舗・事務所などの賃貸借契約、その他リース契約
- 金融機関からの借り入れ
- 継続して利用している各種サービスの契約
- 個人事業で所有しているパソコンや設備
- 減価償却中の固定資産
早めに一覧にしておけば、「法人を作ったあとに、この契約を忘れていた」ということも防ぎやすくなります。
今回のポイント
- 法人化しても、個人名義の契約が自動で法人名義になるわけではない
- 賃貸借契約・リース契約は名義変更・再契約・費用の有無を事前に確認する
- 減価償却中の固定資産は、法人へどう引き継ぐか検討する
- 法人化前に「契約」と「所有資産・負債」を一度一覧にしておく
※この記事は、実際の面談内容をもとに、個人や会社が特定されないよう一部編集・一般化しています。契約変更や資産の引継ぎ方法は、契約内容や資産の状況によって異なります。